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 NPC8月号

百足農法

「ムカデ」という虫がいます。漢字では「百足」と書きます。今から約50年ほど前のことです。故治美組合長は、昔の古い農協の小さな会議室に私たち若者を集め黒板に白いチョークで「百足農法」と書いて講話をはじめました。それはこれから奨めようとしている「大山農業の未来構想と形態」でした。つまり大山農業の将来の姿です。農業は天候に左右され、豊作・不作凶作があります。五穀(人が常食としてきた五種の穀物、米・麦・粟・豆・黍稗)や果物などの作物がよく実った豊作の年は良いけれども、天災や気候不順のため作物の実りがひどく悪い場合には農家の収入は極端に落ちこみ、日常生活は困窮してきます。そのようなことが起きないようにするために「百足農法」が考えられたのです。大山は耕地に恵まれず、立地にも恵まれない山峡の里です。小さな段々畑や棚田を何枚も何枚も合せてようやく一戸当りの耕作面積が四〇a(四反)です。そんな状況の中で「春の梅、秋の栗」を主要農産物にして「田んぼに梅を植えましょう、畑に栗を植えましょう」と始った梅栗運動が昭和36年でした。今年で運動開始からもう58年になります。その当時は、田んぼには稲作と麦作でした。畑には穀類や葉たばこ、麻等の栽培がなされていました。これらの作物は、毎年作物の種子を蒔かなければなりませんでした。その「種子蒔き農業」から「永年作物の果樹農業」に転換をはかったのがこの梅栗運動です。
しかし、先に述べたように一年一作の農業では安定した農家経営は覚束無く収入が不安定です。何とかすこしでも安定した農業ができるための方策として考え出されたのが「百足農法」という言葉と理論でした。読んで字の如くムカデは左右に数十本の足をつけて前に進んで行きます。何本か欠けても、残った足で前に進んで行けます。農業も作物の年間栽培計画を立てムカデの足のように多品目の作物を栽培することで、一つ二つの作物が不作凶作になっても他の作物で稼いで収入をあげることができます。作物の何品目かは不作でもムカデと同じで前に進んで行けるという論法です。耕地に恵まれなかった狭小な山峡の大山農業の生きる道として考えられたのです。
そしてその当時単純明解に誰にでも受け入れ易い「百足農法」という言葉が企案されたのでした。現在ではこの理論を「小量生産・多品目栽培・高付加価値販売」と定義づけています。いま、大山農業がまだまだ元気でいられるのはこの百足農法が更に進化していっているからです。昭和54年平松大分県知事が誕生して提唱したのが「一村一品運動」です。一村一品運動のモデルは大山町であり当時の湯布院町でした。平松知事が描いたのは「元気のよい若者が沢山いて町やムラがイキイキと輝き活発に活動し、自慢できる農水産品の販売額が単品で一億円以上となれば一村一品として認めましょう」というものでした。そしてそのような産品がなければ、自慢できる歌でも踊りでもよいというものです。
当時の大山には一億円を超えるものが九品目ありました。梅・すもも・ハーブ・クレソン・生椎茸・なめこ・えのき茸・加工食品・木の花ガルテンです。昔は出荷される農産品は農協に集められて「経済連」という組織を通して青果市場に送られていました。ようやく梅や栗の果実が収穫され農協に集められ、経済連に出荷しようとすると、「梅や栗は経済連の取り扱い品目にはありません。あなた達は国や県の指導に従わず勝手に栽培したものですから自分たちで売り先を探して売りなさい」と突き放されたのです。そのことが後後大きな力と幸運となってきます。

次の号につづく

 

進化するクレソンの高床式栽培

進化するクレソンの高床式栽培

 

 


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