新年のごあいさつ
代表理事組合長 矢羽田正豪
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
組合員・地域の皆様方には輝かしい新年をお迎えのことと拝察いたします。
旧年中は、農協運営そしてそれぞれの事業に対し格別のご理解とご協力を賜り心より感謝とお礼を申し上げます。
この一年振り返ってみても社会的、経済的、自然環境的にも世界は急速に変化してきています。英国は国民投票によってEU(欧州連合)離脱を決めました。中国は領有権を主張して南シナ海の南沙群島に軍事基地化をすすめています。領有権問題で関係諸国からオランダ、ハーグの国際仲裁裁判所に訴えられ、訴訟判決で完敗しました。そしてイスラム過激派IS(イスラミックステート)による中東をはじめ世界各地で大規模なテロ事件。更には北朝鮮が核開発とノドンロケットや弾道ミサイルの発射実験が続けています。世界の警察官を自認していた米国はもう警察官でない、アメリカ第一主義(アメリカン・ファースト)。もう移民は受け入れない。メキシコとの国境に牆壁をつくり人の往来をできなくする。またTPP(環太平洋連携協定)からも離脱すると大統領選挙で訴えてきたトランプさんが大方の予想を覆し勝利しました。今年一月に米国大統領に就任します。地球自然環境をみれば、光化学スモッグが大量に発生しています。南半球では、季節はずれの大雨や大雪にみまわれ北半球では猛暑、大旱魃そして大雨が続き地球全体に甚大な被害が続出しています。守り保護をしなければならない貴重な絶滅危惧種の植物や動物も危機にさらされています。先月号でも書きましたが、私たち農業・農村・農協組織に対しても政府の規制改革推進会議よりとんでもない提言が出されています。その会議の構成員をみたとき、ほんとうに農業・農村社会の実情を全く知らない都会育ちの人たちばかりです。耕地に恵まれず、立地に恵まれず、天然資源にも恵まれなかった大山農民は、先祖伝来引き継いできた小さな段々畑や棚田を大事に守り細々と生業(五穀が生(な)るように務めるわざ)として農業を続けてきました。彼らにも、是非、農村に足をふみ入れ、そこに暮らす私達農民の姿を知ってほしいものです。そして昨年四月には、かつて経験したことのないような大きな地震が熊本・大分に発生しました。八月には追撃ちをかけるように阿蘇山の大噴火が起きました。各地で落石、土砂崩れ、家屋の倒壊、道路は寸断。国道、県道とライフラインの被害は甚大で、いまだ完全復旧はなされていません。それぞれに人間の知恵や常識、進歩といったものも打ち砕き消してしまうような、自然界のもつ強大な力の脅威をまざまざと見せつけられました。けれどもこのようなことで、自分たちの未来、家庭の未来、大山の未来をめげたり諦めたりしてはいけません。皆で力を合せ、知恵を出し、夢や希望を語り合い、地域で生活する自らが個性と豊かさと繁栄を考える時代です。そして豊かな農村社会を次世代に引き継いでいきましょう。
最後になりましたが、皆様のご健勝とご多幸をお祈りし、新しい年が稔り多い発展の年となりますように願っています。
本年もご交誼のほど賜りますようお願い申し上げ新年のご挨拶といたします。