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心の遊園地

 

 一度は訪れてみたいと、日頃より切望してやまなかった京都の有名なお菓子屋さん「叶匠寿庵」その菓匠の本社を訪問する機会がようやくやってきたのです。それは、先の七、八、九月号のエッセイで紹介しましたように、(株)ヨシケイ渡辺社長とのご縁から生れたものであります。

昭和六十二年十一月十七日、渡辺社長の案内で本社、菓子工場等の建っている大津市大石龍門町の「寿長生の郷」を初めて訪問しました。広大な自然の原生林を背景に六万七千坪の丘陵の敷地には、お菓子の原料となる柚子や梅など果実の樹が植栽されている果樹園や、瓦ぶきの美しい数寄屋造りの和風の建物が幾棟も並び建てられています。最初に訪問するお客様の受付場所となっているのは忠臣蔵、大石蔵助良雄ゆかりの大石氏祖先の住んでいた旧家の家屋です。私たち四名は、そこで受付をすませると、里着という花模様の縮緬でつくられた、「ちゃんちゃんこ」のようなものを着せられました。お客様はこれを着ることによって、しばしの間、日常生活と離れ寿長生の郷という心の遊園地を逍遥(心を俗世間の外に遊ばせること、悠々自適に楽しむこと)するのです。

すでに大勢のお客様が花模様のちゃんちゃんこを着て、楽しそうに笑顔で語り合いながら郷の中を自由に散策しています。しかし、私たちは前もって渡辺社長が創業者の芝田清次社長と訪問の約束をとっていたので、すぐに芝田社長の待っている部屋へと案内されました。

紹介をしてくれる親友の渡辺社長が一緒であったからでしょう、芝田社長は、私たちを破顔一笑で迎えてくれました。そして初対面の名刺交換です。その時にいただいた名刺には、肩書はなく「(株)叶匠寿庵、芝田宗清」とありました。後で知ったのですが「宗清」とは日頃より懇意にお付合いをされているという茶道の裏千家、千宗室家元より拝命を承ったと聞きました。渡辺社長の同行紹介のお蔭で、引きも切らず訪れる面会客の多い多忙な中にもかかわらず、芝田社長は充分な面会時間を割いて下さり、ほんとうに私共の心を揺り動かす多面的な奥の深い話をしていただいたのです。

昭和三十三年に芝田社長が一人で創立した「新参菓子匠」の叶匠寿庵は昭和六十二年の当時、わずか三十年で全国五番目の売上高に躍進していました。売上げと共に注目を浴びていたのが、美味しいお菓子と共にそれらを包んだデザインやパッケージでした。それはデザイナーに依頼したものでなく、すべてが芝田社長の感性で創られたものです。そしてその菓子名もそうです。「あも」「五彩菓」「花雲水」「標野」「閼伽井」などの菓子と名前と包装が見事に一体となり、お客様の心を掴んだのです。「何故、自分でそこまでされたのですか」と質問すると、「ネーミングやパッケージの専門家の方が優れているのは間違いないでしょう。そして、効率的な分業システムの発達した時代にあっては専門家に依頼するのがむしろ常識です。けれどもその人たちに菓子づくりの心と魂をこめることを望むのは見当違い。それを何よりも重視するのであれば、自分自身の手で作成するのが最も望ましいのです。」それを聞いたとき、私は、芝田社長の強烈すぎるほどの鋭い感応力、そして先を見る深い洞察力、一般人の何倍もの感性を持った能力を感じました。

 情報誌や本を読み、芝田社長にいつかお会いしたいと思い願っていた私でしたが、目の前の芝田社長は、人を惹き付ける大きな魅力を持った本当に素晴らしい方でした。

 

 寿長生の郷 毎年恒例の七夕祭りに参加のお客様

 


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