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「寿長生の郷」

 

 渡辺社長(当時)は、友人の(財)自然農法国際研究開発センター評議員、天谷昇氏を伴って来られたので、私と江田一美氏の四人の同行となりました。京都駅より東海道本線(琵琶湖線)の米原行に乗車して約十五分ほど走ると石山駅です。そこで下車してタクシーに乗りました。走り出すとほどなく運転手の方がここが「有名な石山寺です」と案内してくれました。清らかで雅な風格のある真言宗の石山寺が右に見えました。この寺は七六二年(天平宝字、今から一二五〇年前)ごろに造東大寺司の一部として良弁和尚によって開創されたと伝えられています。

 本堂・多宝塔のほか、縁起(仏教の根本思想)・文章・一切経(仏教聖典の総称)など多数の文化財を所蔵していると聞いています。そして、何よりも有名なのが平安中期(約一一〇〇年前)の高名な女性文学者、紫式部がこの寺に滞在して「源氏物語」の構想を練り長編物語りを執筆されたことです。

石山寺を過ぎるあたりから瀬田川の急流を左に見ながら道路は段々と山と川に挟まれていきます。そんな自然環境の中をタクシーもまた、まるで生きた動物のようにうまく走り抜けて行きます。私たちがこれから渡辺社長の案内で訪れようとしているのは、叶匠寿庵という菓匠の本社・菓子工場の建っている大津市大石龍門町にある「寿長生の郷」です。大石龍門町とは、忠臣蔵四十七士の大石蔵助良雄ゆかりの、大石氏祖先の地であったと聞きました。龍門町の龍門の地名も、龍宮の門の意味で、琵琶湖・瀬田川にまつわる水神信仰のひとつの表われかもしれません。そんな歴史に思いを馳せながらタクシーにゆられること20分。

やがて田畑の広がる景色をみながら、小高い丘陵の連なる道をぐるりぐるりとさかのぼると、そこはもう寿長生の郷です。原生林を背景に六万七千坪の敷地には、柚子園や梅園が広がっています。そして、瓦ぶきの家屋が緑の木立や森に囲まれて、いくつも並んで建てられており、それは、おしゃれな調和のとれた数寄屋風の純和風の建築物で造られているのです。後で聞いたのですが、これは「美しいたたずまいから、美しくて美味しいお菓子ができる」という経営者の考えからだということでした。

この美しい「寿長生の郷」全体の景観に出会ったとき、今迄に体験したことのない感動に包みこまれた記憶が今でも鮮明に甦ってきます。そして此所に、常にお客様がお菓子を買うために長蛇の列で待つ、あの美味しい「あも」や「五彩菓」「花雲水」「閼伽井」「標野」などをつくっている和菓子の工場があるとは中々信じられませんでした。

広大な自然の美しい敷地の中には本社、菓子工場のほかに清閑居本席(茶室)や上品な食事を提供する点心席や研修棟など瓦屋根の数寄屋棟が見事に調和して建てられています。「寿長生の郷」の命名には、自然と一体となって物を生み出したいという「創業者芝田清次社長」の思いが込められているということでした。芝田社長の追い求めているのは、拡大再生産、生産効率、商品の差別化といった工業社会の論理を超え、農を中心に働くことに喜びを見いだせる共同体をつくるという思想・理念でした。この思いこそ、まさに私達大山町農協の求める、理想そのものだったのです。(株)ヨシケイ渡辺社長のご多忙の中でのご案内、ご紹介に感謝、感謝です。

 

次号につづく

 

 平成元年7月7日 芝田清次社長の誕生日

恒例の寿長生の郷、招待宴での渡辺社長

 


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