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「奪われた日常生活」

 

 阪神淡路大震災から二十一年、東日本大震災から六年、そしてこの四月十四日より始った、熊本・大分で発生した巨大地震。十六日に発生したマグニチュード(M)7.3の地震は、前々日のM6.5を上回り、一九九五年の阪神淡路大震災と同規模でした。その後の地震発生回数もM一.〇以上のものが一千五百回を超え、かつて経験したことのない余震が未だに続いています。各地で落石、土砂崩れ、家屋の倒壊、道路は寸断。空の便をはじめ鉄道、電話、高速道路、国道、県道、町道とライフラインの被害も甚大で、すべてストップしました。もちろん電気、水道も遮断されました。それぞれに人間の知恵や常識、進歩といったものも打ち砕き消してしまうような、自然界のもつ強大な力の脅威をまざまざと見せつけられています。尊い命を奪われた方々に対しては謹んで哀悼の意を表しますと共に、災害にあわれた方々には深くお見舞いを申し上げます。

 大山町に於いても家屋、施設の損壊、国道、県道、町道の寸断など被害は甚大であります。一日も早い復旧と共に、従来の平穏な生活へ戻れることを祈るばかりです。

 この数年、遊休施設となっていました、菌床椎茸の原木生産工場、『東釣榾木センター』を国・県・市の支援をうけ昨年より、えのき茸の栽培施設として再整備をすすめてきました。日産一万本(栽培農家約二十戸分)の栽培施設です。

三月に工事は完成して四月二十三日(土)に、工場名も続木地区に建設しているため「都を築く」との願いをこめ『都築工場』と名を改め、竣工式の開催準備をすすめてきました。ご来賓の方々も広瀬勝貞大分県知事様、原田啓介日田市長様はじめお取引先の皆様方、工事関係の方々、地元関係者等約二百余名のご臨席を賜り、大山農業の更なる発展を願い、祈念の式典を開催する予定をすすめていたのでしたが、今はそのような状況でないと判断をし、急遽式典の中止を決定しました。そしてご臨席の返事をいただいていた方々には、手分けして先ず電話で中止の旨をお知らせして、すぐに公文書で丁重にお詫びを申し上げました。その大事なお取引先の一社、熊青西九州青果(株)(旧、西村青果)は熊本市田崎町の卸売市場内にあります。今回の大地震による被害状況が気にかかり、社長の森下さんに何度も電話を入れ、メールも送りましたが返事がありません。後で解るのですが、森下社長の自宅は犠牲者も数人出ている、あの被害の大きかった西原村にあったのです。そして、森下社長は、自宅を三年前に増改築したばかりだったと聞きました。その新しくなった自宅も倒半壊していると知りました。なんとも遣る瀬無い気持ちで、かける言葉もありません。青果市場には競りにかける農産物も集まらず休業中。そして電気は来たが水道管の水は出ないという。少しでも私達がお役に立てればと、早速農協店舗で販売しているペットボトルの水とお茶を有るだけ集め、農協商品の梅干漬パック詰めもすべて集めました。四月二十二日(金)職員二名がトラックで通常二時間で着く道程が四時間半かかりましたが、市場の皆さんへお届けすることが出来ました。まだまだお取引先の中には被害に遭われた方々が大勢います。余震が続いている大地が一日も早く鎮まり平穏な日常へ帰れることを祈るばかりです。

 

地震による新開工場上側の大規模山崩れ

 


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