『貴重な体験』
梅干の祭典、第七回全国梅干コンクールの審査会は無事に終了いたしました。
審査委員の先生方と祭典を準備支えた職員は、木の花ガルテンに移動して「農家もてなし料理」で慰労懇親会です。美味しい田舎料理を堪能しながら地酒を酌み交わします。これほどの著名な一流の先生方が一同に会することは、滅多にあるものではありません。
最初は口数も少なかった職員たちもお酒が入り時間が経つと殷勤講(礼儀を重んずる)は何処か忘却の彼方へと消え去り、無礼講で会話を楽しんでいます。先生方も、このような大会を見事に演出し、為し遂げた職員たちの力を高く評価して接してくれています。本当に有り難いことと感謝せずにはいられません。職員はこのような大きな催し事を通し、皆で力を合わせ知恵を出し、汗を流しながら実践し、様々な体験を積み重ねていくのです。今回もまた情熱をかたむけ自分たちの力を最大限に発揮して成功へと結びつけた大会でした。そうして一流の方々と接しながら、大きく成長していくものと思っています。お互いお酒も召し上がりホロ酔い加減での対話は、先生方の日頃聞くこともできない大所高所からの蘊蓄ある話や、プライベートなおもしろい話も聞かせていただけます。職員にとっては何事にも替えがたいとても貴重な体験です。そんな有意義な楽しい時間もあっという間に過ぎてしまいました。
十一月八日(日)が入賞者の表彰式です。前日の土曜の夜には、前夜祭として「第19回木の花ガルテン梅蔵コンサート」を開催。演奏するのは、南米ペルー、クスコで結成された「インカニャン」四人のメンバーによる、民族音楽フォルクローレです。入賞された宮城県の佐藤宗男様ご夫妻、東京都の島崎基予子様ご夫妻もこのコンサートより参加しています。ヨーロッパの古城の地下ワイン貯蔵庫を思わせる、ムードある雰囲気の中で、美しく響き合うハーモニーの音色と力強い演奏に感動されたようでした。この前夜祭のコンサートと表彰式が行なわれた梅蔵には、四五〇年前に漬けられた貴重な梅干しをはじめたくさんの梅干しが眠っています。両ご夫妻は、その梅蔵が造られた謂れを知って更に感動と感激を深めたようです。
この梅蔵に使用している無垢の花崗岩は中国蘇州市より船で運んできたものです。北京の天安門前広場や人民大会堂に使用しているものと同じ石であり、総重量一五〇トン。今では国外に持ち出し禁止となっている、貴重で贅沢な造りの地下の石蔵です。
十一月八日の当日には、竹熊宜孝審査委員長、大分県知事の代理で太田豊彦副知事、原田啓介市長ご臨席のもとに入賞者全員が出席され無事に表彰式を終えました。そしてその後、梅蔵の隣の建物、咲耶木花館に木の花ガルテン生産者、お取引先関係者など約二百五十名の方々が集い情報交換と親睦を深める生産者交流会と、受賞者を祝福する祝の宴が同時に賑やかに開催されました。
小さな寒村で催されます全国梅干コンクールでありますが、この催しは全国に紹介され全国の生産農家や生活者の方々の励みや新しい発見、そして再評価へと進化発展していくものと信じています。出品ご協力いただいた多くの方々に深く感謝とお礼を申し上げます。是非また四年後にお会いすることを楽しみにしています。

梅干コンクール表彰式にて