梅干の祭典Ⅱ
今回の「第七回家庭でつくる全国梅干コンクール」は、前回を上回る過去最多の一,三〇二点の梅干が出品されています。全国四十七都道府県すべてから応募がありました。出品された梅干は農協で用意した同一規格の透明のガラス容器に移し替えられました。そして応募順に通し番号が付けられ、出品者の作品に対する特長とこだわりのコメントが表示されて、二階大ホールに整然と並べられています。
陳列台として使用されている長卓(長いテーブル)は幅が四十五センチ、長さ十五メートルのものが九本、その長卓には真白なテーブルクロスが掛けられています。その上に二列に並べられ、豊かな香りと薬草としての効果も期待される紫蘇の葉で、淡い赤や深紅に染め上げられた美しい姿の梅干達が静かに審査を待っています。ガラス容器入りの1302点の梅干達が一ミリも狂わず線で引かれたように整然と美しく並んでいる様は神神しくも見えます。まだ展示会場の扉は閉められたままです。会場前のエントランスホールにはすでにテレビや新聞等の報道関係者が待ち構えています。そのエントランスホールに用意された会議用テーブルにも、白いテーブルクロスが掛けられ、青竹を伐って作った花瓶には質素な山野草の花が生けられています。
先ずここで十名の審査委員の先生方と審査規準や採点方法、すすめ方等の打合せ会議を行いました。
会議が終ると審査委員の先生一人に、農協女子職員一名がアシスタント(補助員)として付きます。準備が整い、展示会場の扉が開かれると全員の先生方から驚きの喚声と称賛の声が上りました。その感動の声を聞いただけで、今日までの私達の努力や苦労も一気に報われたような気がしました。
出品された一,三〇二点の梅干を展示用ガラス容器に移し替えるだけでも大変な作業です。会場の彼方此方に置かれた大型の花瓶には、真赤に色づいた紅葉の木や秋の山野草をアレンジし農山村の美しい秋が演出されています。このような会場の設営も全て職員の手によるものです。
そして今日の「梅干の祭典」に至るまで全職員が一丸となり町内への周知徹底はもちろん、全国の友人・知人・親戚などに呼びかけ出品をお願いして、晴れの祭典へと結びつけたのです。全職員の情熱と努力の成果であります。
四年に一度の「梅干の祭典」そんな大きな仕事を見事に成し遂げた職員各位に深く感謝とお礼を申し上げ敬意を表する次第です。
そして愈愈審査が始まりました。

最終審査の様子