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韓国の青年

 

 七月二十二日(水)の午前十時ごろ、総務部の庶務担当をしている高村さんが私の席へ来て「組合長、韓国の青年が組合長を訪ねて来ていますが如何いたしましょうか。日本語はあまり通じないようですが。」と言う。当日の予定表を見てもそういう約束は入っていないし、「はて?どちら様が訪ねて来たんだろうか?」短い時間の間にいろいろ考えをめぐらし、「ともかくこちらにお通しして下さい。」と訪問客を招き入れました。

そこに現れた韓国青年は、背はそう高くはないが、中肉中背で、引き締まった身体は相当に鍛えられたようで、頑健で屈強そうな若者でした。ようやく少し憶えたというような片言の日本語での会話が始まりました。

「どうして、私を訪ねてきたのか?」と聞くと、彼は韓国語(ハングル文字)で書かれた分厚い本を出し、「ここには大山農協のことやあなたのことが詳しく書かれています。2012年四月二十七日に韓国で最初に開所された農産物直販所(ローカルフーズ)を木の花ガルテンが指導し、その開所式にあなたが出席してお祝いのスピーチを述べたことが紹介されています。」と言うのです。

その本の筆者は玄義松(ヒョン・イソン)先生(72歳)。韓国農業界では知らない人はいないほど著名な方です。先生は韓国農協中央会で奉職されたあと、韓国農業大学校教授、中央会常務理事、信連代表理事、農民新聞社社長、そして日本の広島大学客員教授までなされ、今は社団法人農山漁村研究会会長職にあります。

話しているうちに、その韓国青年、洪成旻(ハン・ソンミン)君(32歳)。は仁川(インチョン)国際空港から車で40分くらいのところ、華城市で両親と農業をしていること、主に無花果(イチジク)、パッションフルーツ、野菜等をハウス栽培していることなどが分かってきました。洪君は一ヶ月くらい前に飛行機に自分の自転車を積み込み、一人大阪空港に降り立ち、それから自転車で四国を一周して、ようやく大山までたどり着いたと言います。

日本語もうまく話せない青年が一人で良くぞここまで来たなと驚きと、また感動で胸がいっぱいになる思いでした。そして、話を聞いているうちに、40年前に自分たちもイスラエル、アフリカ、ヨーロッパを我武者羅(血気にはやり向こうみずであること)に貪欲に何かを求め貧乏旅行をした記憶が懐かしく走馬灯のように思い出されました。

その場で玄先生に国際電話を入れ事情を説明して、洪君に電話を替わり、先生に詳しく彼の希望を聞いて頂きました。

そして先生から「無理をしない程度に対応して下さい」と頼まれたのです。

それから二十八日(火)に大山を離れるまでの間、私の自宅に寝泊まりして木の花ガルテン等の研修をしました。

その間、別府市にある大山農協の別荘「喜運荘」にも一泊旅行に出かけ、湯布院等も案内しました。

最終日の二十八日は久住、大観峰から阿蘇を案内して熊本市内まで送り、彼と自転車を下し別れて来たのです。

その後、洪君は熊本、長崎と自転車旅行を続け、八月六日(木)に飛行機より料金の安い船で博多港より韓国釜山(プサン)港に上がり無事に帰宅しました、と丁重な便りが届きました。

その手紙の中には、大山での思わぬおもてなしと貴重な体験は日本旅行の中で最も大切な思い出として残りました。そして日本の優れた国民性と大山農民が知恵を絞って無から有を生み出し、夢を大きく広げて前に進んでいる様子に感動し、多くを学ばせてもらいました、と綴っていました。

三年前に全州(チョンジュウ)の近くで初めて開所した農産物直販所もすでに韓国内で100店を越したと報告が入っています。そして、今では木の花ガルテンは直販所のモデルとして、韓国から毎週2〜3団体(約100名)が視察に訪れています。

今、政治の世界では日韓両国はお互いに信頼関係が薄れているようです。

このような時期にこそ、私たちは隣人として信頼と友情の輪を広げ、未来志向へと繋げていきたいものです。

 

韓国 洪成旻 青年


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