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受け継がれてきた梅干漬

 

風雪に耐えて寒風の中に薫り高く花開く梅の花。春まだ浅い頃、百花にさきがけて咲く梅の花。馥郁たる香りと清楚な姿を愛で楽しむ観梅は万葉の時代から季節の行事でした。「万葉集」には梅を主題とした歌が一一四首挙げられており、桜よりも人気があったとされています。

 天平二年(七三〇)正月一三日太宰府の長官、大伴旅人は自邸に全九州の高官を集め梅の花を称賛する園遊会を開き、参会の人たちに歌を詠ませ、その時に詠んだ三十二首の歌とその序文が「万葉集」巻五に載っています。

 

我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも  大伴旅人

春されば まづ咲く宿の 梅の花 独り見つつや 春日暮さむ   山上憶良

 

また平安時代前期、天皇の命により編集されたわが国、最初の勅撰和歌集「古今集」にもたくさんの梅の歌が載っています。

 

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける  紀貫之

 この中の「花」は「梅の花」を指します。百人一首の三十五番として万人に親しまれています。また、

 

春の夜の やみはあやなし 梅花 色こそみえね 香やはかくるる 凡河内躬恒

 

は地唄舞「袖香炉」の歌詞として、今も美しく舞われています。梅は当時の上流社会の流行花木となっていました。この「古今集」の四年前の延喜元年(九○一)大宰府に左遷された菅原道真が家を出るとき「東風吹かば匂いおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」と詠んだ梅樹が、配所として移り住んだ大宰府の地に飛び、その庭に生え匂ったという飛梅伝説は有名で今に語りつがれています。

さてその梅も花と共に果実は古来より日本人の貴重な伝統的保存食品、そして滋養健康食として毎日の食生活に深く根づき受け継がれてきました。

ところが近年、その梅を食べやすくするため本来の漬け方、加工方法が大きく変化してきているように思われます。

昨年、日本全国の梅の生産量は農水省統計で123,700トンと出ています。その中で一番の生産量は和歌山県、次に群馬、福井、神奈川、奈良、徳島、と続きますが、何といっても和歌山県はダントツで生産量の約65パーセントを占(し)めています。そして、梅干漬の販売量に到っては80パーセントが和歌山県産梅干といわれています。

ところが、その和歌山県産の梅干漬の大半は古来伝統の漬け方から大きくかけ離れたものと成っています。塩漬けした梅を大量の水を使い塩抜きして、数十種類の化学調味料を混合した調味液の中にドップリと漬け込み仕上げます。こうして出来上ったものは、口あたりは良いものの酸味も塩分も抜け、昔ながらの梅干漬とは全く違う「味付け調味梅干」となってしまいます。

このような梅製品が一時的には本流となり大きく売り上げを伸ばしてきました。しかし最近、消費者の方々がこれで良いのかと疑問を抱き倦厭し、買わなくなったという傾向がみえてきました。これは本物嗜好へ戻りはじめた証だと思われます。そのためでしょうか和歌山では、昨年漬けた梅の三割が売れ残っていると聞いています。

考えてみるにそのことも、今年の梅の相場を大きく下げている原因のひとつでありましょう。

 ところで平安時代には「花」が愛でられた梅も戦国時代になると、梅の効用が広く知れわたるようになり各地の武将たちは兵糧食として大いに活用をはじめます。今年のNHKテレビの大河ドラマの主人公、黒田官兵衛も家臣に命じて「男の子が生まれるごとに、梅樹を三本植えよ」とおふれを出したと伝えられています。そして徳川の時代になると、徳川御三家にはみな大きな梅林が残されています。紀州南部の大梅林、水戸の偕楽園、尾張名古屋城の梅林。これは戦時に備えた兵糧食として活用するためのものでした。

 梅干というのは不思議な食べ物です。

 酸っぱくて塩っぱくて、でも子供から大人まで世代を超えて多くの日本人に愛され続けてきました。

 そして昔ながらの梅干こそが健康を守り育む貴重な食べものとして評価を得ていたのです。そうした中、近年の科学調味料を使った「味付け調味梅干」は健康を害すると、不安が増大し買いひかえが起こりはじめたと言うのも納得です。やはり大山がこれまで奨めてきた紫蘇という「香味薬草」を加え赤く漬け上げた「ほんとうの梅干漬」が再評価される時代が来ているようです。

 紫蘇で漬けた赤い梅干でないと、日の丸弁当はできません。

 

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