87ムラおこしシンポジウム おおやま・THE・21 Ⅱ
治美組合長は、「大山農民のためのほんとうの農業構造改善を徹底的に議論するシンポジウムでなければならない。」又、「あくまでも大山の住民が主役となって発言してもらいたい。」「みんながそのような思いで徹底的に討論して、明確な大山の未来像を探り、自分たちの将来を描いてもらいたい」と考えていました。それからの準備が大変でした。全職員、農事主事会、各生産部会、青壮年部、女性部、瞳会(若妻の会)等に年末の多忙な時期に何回となく集ってもらい、会議、会議の連続です。会議を重ねながら限られた時間の中で担当割りと業務分担を作り上げてきました。そしてシンポジウムの大事なテーマもまとまりました。
次のようなものです。
一、 若者は帰ってくるか。
大山町の人口の年齢構成をみると、20〜24歳が少ないが、25〜29歳で復元している。この好ましいUターン現象は今後も続くだろうか。
二、 人生の花道を考えよう。
住民の人口構成を調べてみると、80〜84歳で半減し、85〜89歳で大半が減少し、90歳以上は極めて少数である。
この年代を人生の花道とすれば、60代、70代の病弱者とともに、老人福祉の重点はここにおくべきと思われる。
三、 安心して暮らせる仕事。
過疎は農村の致命傷である。零細農家や商工者が、このムラで安心して暮らせるようにするには、就業の機会を与え、所得の増加をはかることである。
四、 若者たちが住みたくなるムラづくり。
青壮年や若嫁が希望を持って定着する条件整備こそ、ムラおこしのポイントである。いまその条件とは何か。
五、 あらためて将来の人つくりを。
耕作地の狭い大山町は、これからもますます高次元農業に取り組む必要がある。そのとき高度な課題にも直面するだろう。そのための人材育成が急がれる。
六、 真の(農村)ユートピア実現に向けて。
太陽と緑と清らかな空気と水。これに安定した収入と余暇をもち、大都市の高度な文化施設を不自由なく享受できれば、農村こそ真のユートピア(理想郷)。理想的な生活圏である。そのために組織をどう練り直していくか。
七、 日々新た、でありたい。
世は日進月歩。現状に満足していては退歩といえよう。日々新た、でありたい。これまでの大山の歩みはそうであったし、これからもそれは変らない大山のポリシー(方針)だ。
この七つのテーマに添ってどなたかに基調講演を行ってもらい、その後三つの分科会に分かれて討議をすすめていくこととしました。
『第一分科会「働く願い」所得の追求。』『第二分科会「学ぶ願い」人づくり。』『第三分科会「愛の願い」環境づくり。』
そうです。大山のNPC運動の基本理念にそって分科会を構成したのです。
次号に続きます。