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「主婦がシェフとなりました」

 

 先月号に続き「農家もてなし料理、百のご馳走」レストラン「オーガニック農園」のお話しです。理事会で慎重審議を重ねレストラン建設を決定し、それから中心になって働いたのが店長の矢幡徹雄君(当時49歳)と担当の矢幡弾君(当時32歳)でした。お店の広さ、客席数とその配置、テーブルと椅子の姿、形容、高さ、奥行、幅等、又お客様の使用する食器、そして料理をお出しする器、厨房の広さと備品の数々などを考え、次々と決めていきます。更に大事なのは主婦(シェフ)と料理のメニューでした。解決しなければならない問題は山積していました。レストランは、ビュッフェともバイキングとも称する、お客様が料理を自由に器に取っての食べ放題にしました。テーブルは、幅、高さ、奥行を決め2人用とし、椅子もそれに合わせたデザイン等を決め、大山独自のものを発注しました。2人用だとふたつ合わせれば4人用、3つのテーブルを合わせれば5、6人用となり自由な組合せができます。飲食業では食器が洗浄の際によく欠けたり割れたりしてお客様にお出しできなくなり損失が大きいと聞いていましたので、有田焼の磁器に決めました。陶器も民芸調で柔らかい雰囲気が好感を持てるのですが十分な焼き締めができておらず磁器に比べ欠ける率が高いともいわれていましたので今回は選定から外れました。徹雄君らと佐賀県有田に行き、窯元をめぐり条件に合ったものを探し求めました。冷凍、冷蔵庫をはじめとする厨房機器もメーカーや問屋を訪ねひとつひとつ決定していきました。さて最後は肝心の主婦の採用です。基本は「農家もてなし料理」です。しかし農家の主婦の方々に声をかけてみるも中々良い返事がもらえません。とうとう痺れを切らし若い職員を町内に出し強引に連れてこいと指示を出しました。そして何とか口説きおとし嫌々ながらも出てきてくれたのが、先月号で紹介しました川津初江さん(当時62歳)、川津幸江さん(当時62歳)、横尾八千代さん(当時59歳)と隣の前津江村から来てくれた石井照子さん(当時43歳)でした。最初は「おてどんが作ったもんを誰が食べてくれるかい?」といって謙遜と同時に自信の無さと不安から困惑した様子でした。

 そこで私が言ったのは、例えは良くありませんが、「人が亡くなったときお葬式をします。その葬儀の前に故人との最後のお別れの食事があります。講中の人たちが早朝より、自分で育てたその時期のいろいろの野菜を持ち寄って『御斎の膳』を作ります。その精進料理は作れるじゃろうが」というと「作れる」という。又隣保班に家が建つと棟上げの日に加勢にくる近所の人や大工や左官さん達に昼、夜の賄のご馳走を出します。それも「作れるじゃろうが」というと「作れる」という。「ヨシ、あとはもし気が向いたら、親戚や知人が来たときの『もてなし料理』、『秋祭りのおくんち料理』など加えて気軽にやってみてください」とお願いしました。「そこまで言われりゃ始末たあつかんやってみるかい」となり料理の試作がはじまりました。本所二階の調理室におおくの料理が次々と並べられます。役職員が集まって試食会がはじまりました。文句や要望を出す人は誰もいません。流石は主婦です。長い年季が入っています、腕は確かです。本物の料理人、シェフに負けず劣らずの美味しい料理が次々と出てきます。そうやって「百のご馳走」のメニューが決まりました。そして料理と飲み物の価格も決まりました。平成13年4月20日愈々竣工式とオープンです。町内外より取引先等関係者、約百余名をお迎えして華々しいスタートの日となりました。遠くは東京、群馬、静岡、山梨県からもお越しいただきました。感謝の言葉もありません。

前回に次回は「精霊様だんご」の物語りと案内したのですが中々辿り着きません。次回は必ず辿り着けます。

 

 

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