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耕耘機でやまなみハイウェイを走る

 

筌ノ口温泉(うけのくちおんせん)の共同風呂に入りお酒を1升飲み干して4時間ほど風呂場で眠った9名は活力を取り戻し、川端康成が小説「千羽鶴」で綴った美しい飯田高原、長者原へと進みます。そして高原のなかほどの長者原まで来て、耕耘機のエンジンを停め、皆で朝食の準備にかかります。白米、薪、飯盒、水などはトレーラーに積み込んできています。早速、米を磨ぎ飯盒2個で2升のご飯を炊き上げました。おかずは大根葉の浅漬、大根と茗荷の味噌漬、梅干漬、そして味噌汁です。朝日に輝く美しい草原に腰をおろし、松のまばらな群れが散らばっている風景を楽しみ、愉快な仲間たちと賑やかに食べる朝御飯の味は格別です。

 御腹も満腹になりました。美しい大自然の中で壮快な気分を味わい御機嫌です。耕耘機と単車にエンジンがかかり元気を取り戻した自転車の4人組が先導します。ワイワイ、ガヤガヤと賑やかな行列です。すれ違いの車、追い越していく車が何事が起きているのかと興味津津と振り返り、笑ったり、声援をおくったりしながら通り過ぎていきます。そうして進んでいくと目指している「やまなみハイウェイ」との合流地点に到着です。通行車輌も随分と増えてきました。料金所は1キロメートル先にあります。ところで小野行政氏(当時33才)はその数年前に足に水虫ができて、その治療のためその手前にある『寒の地獄温泉』の宿に10日間ほど滞在した経験がありました。その宿の女将さんはお婆ちゃんで宿泊者からは“(”)怖い人”と恐れられていました。その怖いお婆ちゃんと仲良しになっていたのでチョッと寄っていこうと皆をつれて立寄りました。寒の地獄温泉は年間温度14℃という硫化水素泉です。冷たすぎて誰でも簡単に入れるものではありません。先に冷泉に浸っている人がいる場合には片方の足から静かに波動のおきないようにゆっくりと身を沈めていきます。仮にザブンと入ろうとものなら先に浸っている人に刺すような刺激を与えるため、こっぴどく叱られます。

 行政さんは数年前の湯治滞在のとき、怖いお婆さんの言うことを聞かず、ザブンと飛び込むは、飲んではいけないビールを冷泉で飲むはで、無茶苦茶で乱暴な振る舞いをすることから『地獄の鬼』と呼ばれていたそうです。しかし、根は正直でハンサムボーイであったことから最後はお婆さんから気にいられ可愛がられたとのこと。そのような宿のお婆さんと再会して冷泉に皆で浸り、ビールを飲み饂飩を食べ英気を養い料金所へと向いました。料金所でのやりとりが又傑作です。道路を管理する公団は耕耘機や自転車が走るなど想定もしなかったために料金表にこの種のものはありません。公団の人は「料金表にありません」、行政さんは「お客さんだろう早く通せ」と擦った揉んだの問答が続きます。

とうとう行政さんが「よしそれでは俺が決めてやろう、自転車は唯(無料)、耕耘機は単車と同じ200円でどうだ」と言い強引に決めてしまいました。料金所の人は呆気にとられ従うよりほかなかったようです。そして牧の戸峠(標高1,330m)までの急坂を苦労のすえ登りきり、今度はカーブの多い急な下り坂です。その下りの急坂を自転車と耕耘機が追いつ抜かれつのスピードレースで走ります。そして瀬の本三愛レストハウスの前まで辿り着き、今下りてきた急坂を振り返り、はじめて無謀な走行であったと身震いしたようです。ここで暫しの休息をとり、黒川温泉を経て杖立温泉に辿り着いたのが夕闇の迫る頃でした。この杖立温泉で又饂飩を食べました。

 行政さんは言われました。杖立に着き饂飩を食べ終えたときはほんとうにホッとすると同時に疲れがドッと出たと。そして大山町高取集落に帰り着いたのが昨夜出発した時刻と同じでした。つまり24時間一昼夜をかけた耕耘機1台、単車2台、自転車4台で9名の仲間の苦楽を共にした想い出に残る冒険の旅でした。

今回この話を聞き、人間関係の薄れいく現代社会において仲間意識や思いやり、相手を理解し合うという人と人とのつながりの大切さを改めて考えさせられました。

 『働く、学ぶ、愛し合う』というNPC運動が提唱され50年が過ぎました。先人の残してくれた思想理念を大切にし、みんなで力を合わせ更に発展進化させ、物も心も豊かな農村の暮らしと生活を、次世代に引き継いでいきたいものです。

 

 


 

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