『新組合長あいさつ』
十月一日付けで三笘組合長から組合長を引き継ぎ身の引き締まる思いであります。
戦後六十年という節目の年、今、まさに日本の社会は大きく変化を遂げようとしています。農村も例外ではありません。海外からの農畜産物の流入、国内産地との激烈な競合、価格の低迷、高齢化の加速等々と枚挙にいとまがありません。
では、日本農業に期待は持てないのかというと、今まで以上に夢があると思えてなりません。かつて、農業は土地の広さ×労働力=生産量(即ち収入)という図式で、労働集約的産業の典型とみなされてきました。しかし、近代社会はその概念を一変しました。農業こそ最たる知的産業であると思えてなりません。知識、知恵のある方は途方もない稼ぎをする時代であります。
幸いにも大山町内は地形が複雑で、急傾斜、一枚一枚の田や畑が個性を持ったすばらしい特徴ある土地柄であります。視点を変えるとその事が土地の有効活用を損なう原因と嘆く人が多いかもしれません。しかし、別の視点で捉えると、こんなに変化に富み可能性を秘めた土地は他所にはないと思えてなりません。
毎年六月に農協総会が開かれます。組合員の最高決議機関であります。総会資料の中に大山農協運営の基本理念と指導路線が掲げられています。
1. オーガニック農業を推進します。
1. 環境にやさしい資材包装を推進します。
1. 時代に即応した流通の開拓を行ないます。
1. 高付加価値産品に開拓に努め、収益率の高い農業をめざします。
1. 若者が継ぎたくなる快適農業を推進します。
1. 週休三日の余暇で文化の創造を行ないます。
1. 都市と農村の交流をすすめます。
右、七項目をうたっています。
これらのことが実践できれば大山農業は無限に拡がり豊かな農村が実現出来ます。歴代の諸先輩の残したこれらの夢に向って実践し具現化する事こそ私達の役割と考えます。
スポーツのラグビーの世界で東京六大学の明治大学ラグビー部は最強のチームを誇っています。その強さの秘訣は、日頃の練習の時、選手が並んで走りながら横にパスを繰り返すごく単純な動作の反復にあると言われています。
この九月より企業法人の農業参入が認められるようになりました。豊富な資金、人材を投入して経営効率を求めた究極の農業を追求していくことでしょう。こんな時こそ、我々大山農業者は自分達の足元を直視し時代の流れに右往左往する事なく明治大学のラグビー部のように基本にたち返り徹底的な有機の土づくりをして、消費者の求める安心、安全、美味しさを追求していく事こそ、大山農業再生の一歩と思います。幸いにも大山にはキノコ産業があり、かつての杉のオガ屑主体の培地からコーンコブ(トウモロコシの芯を粉砕したもの)に代わりより早く腐敗する最高の有機堆肥となります。これらの資源を最大限活用して基本の土づくりからスタートしたい。幸い、農協役職員の皆様も心を一つにして土づくりに邁進する事を確認しています。農家の皆様も私達と手を携えて豊かな農村づくりに一歩を踏み出そうではありませんか。 |